高齢者の活動機能低下の原因とは？

高齢者にとって重大な問題となる活動機能低下についてお話します。

活動機能低下とはその名のとおり、活動する機能が低下し、動かなくなったり(寝たきり状態)、動く頻度が低下する事を指します。
活動機能が低下すると廃用症候群とよばれる病気を罹患してしまう可能性が非常に高くなるといわれています。

廃用症候群とは、動かないことにより生じる様々な症状の総称であり、筋肉が痩せていく筋委縮や関節が固くなり動かなくなる関節拘縮、心機能や肺機能が低下する循環器障害など場合によっては生命維持にも関わる症状を引き起こします。

ではなぜ、高齢者は活動機能が低下してしまうのでしょうか？
それには高齢者ならではの問題が起因してきます。

まず第一に挙げられるのが、「加齢・老化」です。
サルコペニア(加齢に伴う骨格筋量や骨格筋量の低下)やフレイル(加齢により老い衰えた状態)、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)などで心身機能が低下してしまうことが活動機能低下の要因であることは間違いないでしょう。

しかし、高齢者すべてが活動機能が低下するわけではありません。

そこで次の要因として挙げられるのが「疾患」です。
高齢者はなんらかの疾患を罹患してしまう際、加齢・老化により心身機能が低下している状態で骨折や脳卒中、変形性関節症、腰痛などを抱えることになります。
加齢・老化による機能低下＋疾患による機能低下を引き起こしてしまうわけです。

そして３つ目の要因が「興味・関心・役割・意欲」の低下、消失です。
心身機能が低下するとうつ状態になりやすく、また若い時分と比較すると好奇心なども低下してしまいます。
また高齢者施設に入居していたり、ご家族様と同居している方などは介護・支援で生活が成り立ってしまい、過去に担っていた自身の役割を喪失してしまうことが多々あります。
「関心がない」「やることがない」「楽しみがない」「新しく何かを始める事を諦める」などの状況も活動機能低下を招く要因になります。

上記３つの要因が重なり合い、活動機能低下を招くわけですが、実はこの３つの要因はそれぞれ解決方法が異なります。

・加齢・老化による心身機能の低下
・疾患による心身機能の低下
・興味・関心・役割・意欲の低下、消失による心身機能の低下
それぞれの問題に向き合って改善方法や解決策を考えていきましょう。